自動車学校は、日本のほとんどの人が1度は通います。
生涯で自動車免許を取得する人は75%にのぼるとの統計データがあり、また、新成人の50%が免許を取得しているとも言われています。
その自動車学校で初めに接する人が受付・事務職の人です。
皆さんは自動車学校の受付・事務をしている方にどんな印象を持っていますか?(^^)
この記事では、自動車学校の受付・事務の仕事とは具体的にどのような仕事なのか、さらに、大変な所や楽しい所をお伝えしていきます。
自動車学校の受付・事務の仕事内容
自動車学校の受付・事務の仕事は、「教習所の顔」として笑顔でお客様を迎えることから始まります。
そして教習がスムーズに進むように、入校の手続きから卒業までお手伝いする事が仕事です。
主なものは以下の3つです。
- 入校業務(入校案内、入校申込から入校日当日までの事務・登録作業)
- 乗車業務(車の手配、教習指導員の予定管理、高齢者講習・その他の講習作業)
- 検定業務(検定の申込受付、検定事前準備、検定当日の対応)
これらの業務を行いながら、入校案内や申込に関する電話応対、お客様の対応を同時進行で行います。
入校のお問い合わせひとつあげても、間違った案内は出来ないため幅広く正確な知識が求められますよ!
また自動車学校に来校されるお客様は10代~90代までと幅広く、ひとりひとりのお客様にあった柔軟な対応や説明ができることも大事でしょう。
その他にも授業に使われなかった車両の移動や、ロビー内のPOP作成や季節イベントの飾り付け、従業員の給料やスケジュールなどの労務管理、経理業務など、、、
受付・事務職は教習所運営に不可欠な業務を幅広く支える「縁の下の力持ち」のような存在なのです(^^)
自動車学校の受付・事務の仕事の大変な所
次に、自動車学校の受付・事務の仕事の大変なところはどんなことでしょうか。
ここでは主に以下の4つを取り上げます。
- 常にお客様の目に着く位置で仕事をしており、常にお客様の配慮をする必要がある
- PC作業やオペレーションなど覚える仕事が多い
- 老若男女相手なので、高いコミュニケーション能力が必要
- 給与が安い
順に見ていきましょう!
①常にお客様の目に着く位置で仕事をしており、常にお客様に配慮が必要
自動車学校の受付は基本的にどこもオープンカウンターですから、お客様の目に着く場所で仕事をしておりいつでも声をかけやすくなっています。
そのため、常にお客様に配慮しながら仕事をする必要があります。
お客様の対応をしながら事務作業を進めるため、事務作業だけに集中出来ない大変さがあるといえます。
個人情報を扱う大切な仕事を行いながら、必要な時に気遣いや心配りを持ってお客様の対応をすることが求められます。
入り口からお客様が入ってきた時は笑顔で挨拶を、入金機を使われている時は困られている方がいないかなど、常に神経を集中させながら仕事をする必要があります。
また覚えたり把握しておくべき情報が多く、電話応対でも接客でも、正しくわかりやすく相手に伝えるための集中力が必要となるでしょう。
このようにお客さまへの配慮が必要で、集中力を求められる仕事であることがこの仕事の大変な部分かもしれません!
②PC作業やオペレーションなど覚える仕事が多い
二つ目にPC作業やオペレーションなど覚える仕事が多い点。
入校手続きやお客様情報のデータ入力、講習や教習の予約、各種証明書の発行など、様々な書類をPCで作成する仕事があります。
PC作業やオペレーションは初めての方でも、先輩から教えてもらい受け持つことが可能ですが、入社したての頃は覚えることがとても多く、教えてもらった仕事をこなすことで精一杯なことが多いでしょう。
また、免許証は本人確認書類にもなる大切な書類の一つですから、一文字でもミスなく記載し、しっかり確認することが大切です。
また免許証の種類や条件、自動車学校の業務を把握しておかないと質問に答えられなかったりするので、未経験から入社して最初の内は情報をしっかり整理しながら着実に仕事を覚えていくことが大事ですよ!
③様々な世代の方が相手なので、相手や状況に応じたコミュニケーションが必要
三つ目はお客様は老若男女、また、様々な世代の方が相手なので、相手に合わせた柔軟なコミュニケーションが求められます。
自動車学校には若いお客様が多いと思われるかもしれませんが、高齢者講習などを行っている教習所の場合などだとなおさらですが、16歳~90歳代までの幅広い年齢の方が来校されます!
そのため、通り一遍のマニュアル通りの対応のみではなく、お客様一人一人にあった対応をすることが好ましいと言えます。
困っている方がいたら「何かお困りですか?」と自分から声をかけて困りごとを解消するような気配りも大切。
このように接するお客様の年代が様々なので、相手や状況に合わせた気配りが出来ることがとても重要ですよ!
④教習指導員(インストラクター)に比べ給与が低め
自動車学校で実際に生徒さんに車の運転を教え、免許取得をサポートするインストラクター職『教習指導員』に比べると、どうしても受付・事務職の給与水準は低いと言わざるを得ません。
また、キャリアのステップという面でも、様々な資格取得にチャレンジし、教習や技能検定が出来るようになる教習指導員に比べると、やや自らの市場価値が高めづらい点もあります。

そうはいっても、教習指導員になるのはそれなりに大変なんじゃないですか?

難しいと思われがちな教習指導員ですが、未経験から教習所で働きながら資格を取得し、指導員になった人がほとんどですよ!
指導員のなり方は『教習指導員になるには?教習所勤務開始~資格取得、実務開始までの流れを解説』の記事で詳しく解説しているので、ご興味があれば見てみてくださいね!
自動車学校の受付・事務の仕事の楽しさ・やりがい
自動車学校の受付・事務の仕事の楽しいところはどんなことでしょうか。
ここでは主に以下の3つを取り上げます。
- お客様から直接感謝の言葉をもらえる
- お客様に覚えてもらったり、卒業後も会いにきてくれたりする
- 人相手の接客なので、人のお役に立てたという達成感がある
お客様相手の仕事である分、お客様から励まされることもとても多いのも特徴的。
①お客様から直接感謝の言葉をもらえるところ
お客様から直接感謝の言葉をもらえることが、なんといってもこの仕事の一番嬉しいところです。
機械の操作で困っている方の困りごとを解消したなどの小さなことから、無事に卒業の日を迎えられた感謝の言葉、また日々のお客様からの声かけや笑顔をいただくことで、仕事を頑張る糧になったりします。
また卒業後に感謝のお手紙をいただくこともあります。
電話でのお問合せでは「あなたの説明がわかりやすかったから、こちらに娘を通わせます」と伝えられ、涙が流れるほど嬉しかったという体験談もあります。
これは日々お客様と接する立場ならではのやりがいですよね(^^)
お客様が卒業されたり、講習などを受講された方々が「ありがとうございました」「お世話になりました」と笑顔で帰って行かれる時にとても嬉しくなり、「もっとよい対応を」しようと力をいただけたり、やりがいを感じるとの声もあります。
お客様から直接感謝の言葉をもらえるところは、ほかの仕事にはない特徴ともいえるでしょう。
②お客様に覚えてもらったり、卒業後も会いにきてくれたりするところ
受付・事務の仕事はお客様が教習所で初めて接する窓口です。通う間に名前や顔を覚えてもらうことも嬉しいことです。信頼されて相談されることもあるでしょう。
教習期限は初めて学科教習を受けた日から9ヶ月以内です。中には長いおつきあいになる方もおられます。
教習所を卒業した後に運転免許を取得できたことを報告にきてくれる方や、直接会いに来てくれる方がいます。
教習期間はお客様の不安な気持ちや嬉しい気持ちに寄り添いながら過ごす時なので、卒業後に会いに来てくれることはとても嬉しいことです。
③人相手の接客なので、人のお役に立てたという達成感があるところ
受付・事務の仕事はPCの入力作業もありますが、基本的には人と接することが多い仕事といえます。
ですから、常にお客様に気を配りつつ仕事をするという意味で、集中力を必要としますが、一方で感謝の気持ちを受け取る機会も多いのです。
また受付内のみんなで協力して書類を作成したり仕事をする中で、協力して人のお役に立てたという連帯感や達成感が生まれ、充実感を感じることも多いです。
人のお役に立てたという達成感は、自動車学校の受付・事務の仕事ならではの醍醐味かもしれません。
自動車学校の受付・事務は人とのコミュニケーションが好きな人におすすめな職業
自動車学校の受付・事務の仕事内容とその特徴を見てきました。
これらのことから、この仕事は人とのコミュニケーションが好きな人におすすめな職業といえるでしょう。
人相手の仕事のため、明るく笑顔で元気に働ける人、素直な人、自分の会社、仕事を愛するという考え方の人、お互いに関心を持てる人、失敗を恐れず仕事にチャレンジし、アクションを起こせる人などが求められます。
「お客様に寄り添った接客を心がけること」「人と話すことが好き」という気持ちが持てるとよいでしょう。
- 人のことを自分のこととして考え行動できる人
- 相手の気持ちに寄り添える人
- 相手のためにがんばれる人
初めから出来なくても積み重ねていくことで、コミュニケーションの能力は高められていきます。
「毎日いろいろな方と出会えて嬉しい」その気持ちが支えになり、誰かの役に立てたと実感できた時、その気持ちが自動車学校で働く醍醐味となるでしょう。
また、販売や飲食など「お客様と接する経験」のある方はその経験を活かして働くことが出来ますよ!
自身が卒業した自動車学校の受付の人達の対応が良かったため、その学校への就職を希望するという例もあります。「自動車学校の顔」としていい印象を与えることもあるのです。